
私はまさに高度成長期に生まれ育ち、物のあふれ、「便利」という魔法の言葉に踊らされ、大人になりました。
そして21世紀になり、時代は「自然回帰」という流れが出てきました。しかし、今度は「地球にやさしい」という博愛的な言葉に踊らされ、子育てしてきました。
そして、今冷静に振り返ると、ただ資本主義のワナにはめられた気がしています。
結局は「モノを買う」「モノを使う」「モノに満足する」だけでした。
便利さは、ある時から人を怠惰にさせました。
そして、便利の限界を超えた時に人間にとって有害なものも取り入れることになりました。
例えば化学物質とかとそういうことです。
そして、入れなくていいものまで入れていたり、買わせるために無駄なものを作ったり。
そのような中で「地球にやさしい」流れが来るのは、有害なものに気付かせないという流れが起こったのかもしれません。
「地球にやさしい」という漠然とした実体のない言葉の真意など誰も追及しないまま、
何となく、良いことをしている気分になっていたんですね。
利他的のような雰囲気で利己的な人たちが増えている気さえします。
私もその一人だったと思います。
もうこれ以上の便利は、いらない。
これ以上の便利は、人間をダメにするだけではなく、地球も宇宙もおかしいことになります。
海の中にどれだけの有害物質があると思いますか?
自然に戻ることのない石油物質である
「マイクロビーズ(とっても小さいプラスティックのこと)」は、
小さすぎて、ろ過できずに天然の海塩にもある国では、水道水にも出たといわれています。
海の酸化は進んでいます。すでに貝殻が溶けていく現象もみられます。
そして、空の向こうにある宇宙には消えることのない宇宙ゴミが
とんでもない量になって地球の周りを囲っているのです。
きれいな星を眺めるどころではなくなりますね。
目に見えないところで、たくさんの便利からあふれ出た「不便」が現れ始めています。
「便利」という魔法から覚めましょう。
そうしないと
私たちの命の流れは、決して良いものになっていきません。
私たちには、知恵を持ち、工夫し、それを力にすることができます。
また足りないものは自然に補うことができる力もあります。満ち足りていると出てこないし、
本来持っている力さえ、眠ったままで発揮できないのです。
「ちょっと足りないくらいが便利」
という新しい認識を持って生活してみませんか?
おうちの中の「いらない」に目を向けてみてください。
その一歩が本当の意味で地球に優しくしていることになると思います。
もう、モノに頼る時代ではないのです。
もう一度振り返り、「自分」の中にある能力や力を信じ、
発揮していくことではないかと思います。
モノがなかった時代。
モノはなかったけれど、もっと人が強かった。もっと工夫していたし。
人間力があったように思います。
モノと情報にあふれた「平成」も終わります。
新しい時代にはそこから学んだことを生かしていきたいですね。