体育てと体感覚

 子どもの体がおかしくなっていると騒がれて、かれこれ十数年。

その子どもたちが大人になって親になっています。

このおかしくなっているというのは、病気ではないので「おかしい」というニュアンスになるのですが、低体温、体温調整が上手にできない、朝すっきりと目覚めることができない、力むことができない、片足で立てない、ボールが投げられない、まっすぐ立っていることができないなどいろいろ困った状況が挙げられます。

 

 生活スタイルやリズムが変化したこともありますが、子どもの教育として、知育の成長だけを重んじられ、体の成長が軽んじられているため、体が「おかしい」状況になっているのです。かなり以前から子どもの発達の問題として言われていることです。「病気」ではないから、家庭で改善する機会が失われています。でも、やっぱり「おかしい」は何かのトラブルの原因になっていることは間違いありません。

 

 最近耳にした話ですが、最近は授乳用に便利なクッションが使われています。出産した病院などにもあるので、初めての授乳はそのクッションを使って行われること多く、退院してもそのクッションがないと授乳ができないというお母さんが増えているそうです。

どこに行くにもその授乳用クッションを持っていき、それを使って授乳するのだとか。

 また、赤ちゃんを上手に抱くこともできないから支えとしての抱っこひもは必需品なんです。それがないと不安で抱けないのでしょう。だから今は、抱っこひもの種類が多いんですね。素材や形、価格もさまざまありますね。

でも、便利というよりも「できない」が形になったのだと思いました。

 

 赤ちゃんをどうやって抱くのか、赤ちゃんをどうすれば授乳できるのかなど、自分の体の感覚がわかっていないのです。これは知識というよりも、今までの様々な経験の中で自然に体が動くことでできるのです。頭でイメージしたことを体が感じて自然に反応するということです。でもこの反応ができない大人が増えているということです。

 

 子どもは成長しますから、すでに「おかしい」と言われていた子どもたちが大人になった新たな「おかしさ」が出てきているのですね。

「病気」ではないけど、恐ろしいことだと思います。
 赤ちゃんを抱くというのは、「タッチケア」です。抱っこひもが抱いたのではこの「タッチケア」にはなりません。上手な抱っこは、ケアと言い切れると思います。だから上手に体の感覚を使って赤ちゃんが安心して身を任せられるように抱くことができるのは大事なことなんです。

 

 おそらくこのおかしさは、さらに加速していくことになるでしょう。

今のお年寄りが膝が痛い、腰が痛いと言っていますが、それがもっと前倒しになっていくこともあり得ます。

 「おかしさ」が「病」になり、その病の原因がわからないという事態も出てくるでしょう。そして原因のわからない「痛み」を抱えなければなりません。

体を作ること、これは成長期に合わせてきちんと経験とともに体の感覚を養うことでもあるのです。決して筋肉をつけるような運動方法だけとは違います。

 

 体の「おかしさ」にもっと早く気づき、改善していくことは、長い人生の健康につながります。子育てにもっと体育ての時間を作ってください。机上の勉強やゲームでは、なかなか育てられないものです。体の感覚を養うことは、体を上手に生涯使っていくというところにつながるのです。これは特定のスポーツをすることとは違います。スポーツをしているお子さんは、そのスポーツに必要な体の使い方は出来ているけれど、他の体の使い方はできていないこともあります。
 体をどう動かせば、支えられるのか。体のどこを使えば、スムーズに動けるのかよくわかっていないのです。自分の体でありながら、有効的に使えないのは残念で悲しいことです。

 

 日常的なことでいいのです。草むしりしたり、雑巾がけしたり、窓ふきしたり自転車じゃなくて歩くこと、階段を上ること、しゃがんだりジャンプしたり。ゲームじゃなくて縄跳びしたり、ボール投げしたり・・・・。

 今は夏休み真っただ中、ちょっとした工夫で体づくりをサポートします。親子で体の感覚を養う工夫を取り入れてみましょう。